2011年 05月 21日
「母」である自分もなくすということ・・・ |
マタニティーグリーフのキーワードがたくさん出てきましたが、
今日は、「愛着」です。
一般的なグリーフにおいても、「愛着」は大切なキーワードです。
「愛着」は、母親と乳児の絆から始まると言われています。
人が乳児だったとき、母親やそれに代わる人から世話を受けます。
誰からも愛着を持って世話をされないと、乳児は生き続けることができません。
そして、その世話をしてくれる人に対して依存し、「愛着」を持つようになります。
こうして人は「愛着」から「安心感」を覚えて行きます。
また、「愛着」は、「自分はだれなのか」を確認するものでもあります。
「愛着」の対象と、自分との関係の中で、「自分」の存在を確認していると言えば、わかりやすいでしょうか?
では、安心できるこころの拠り所である「愛着」、
自分が自分であることの証明である「愛着」が突然断たれた時、どうなるでしょう?
もちろん、グリーフに陥りますね。
けれど、人はそう簡単に「愛着」を捨て去ることはできません。
愛する人がいなくなった後も、「声が聞こえた」「そばにいるような気がする」「夢の中で対話した」などと感じる人も多いのはそのせいです。
愛する人がいなくなっても、遺された人の心の中でいつまでも生き続けることで、
遺された人はとても励まされるのです。
失った人との関係で学んだこと、幸せ、喜びは、いつまでも残っていて、それらが、新しい自分を創る足掛かりとなります。
さて、マタニティーグリーフにおいてはどうでしょう?
多くの時間を一緒に過ごした人を亡くすのとは、かなり違っているのではないでしょうか?
どんな表情で笑うのか、どんな声で泣くのか、何が好きで何が嫌いなのか・・・・・
何ひとつ知らないのに、強い「愛着」で結ばれている関係。
赤ちゃんの存在があるから、自分は「母」である自分を確認できるのに、
突然、「母」という自分までいなくなってしまう・・・・。
それが、流産・死産で亡くなった赤ちゃんと、ママその関係です。
思い出を作り上げる前に、突然「愛着」を失い、「母」である自分も失うのですから、
戸惑い、悲壮感、憤り、悲嘆・・・様々な感情が出てくるのは当たり前です。
「いつまでもクヨクヨしちゃいけない・・・」と思ってしまうかもしれませんが、
赤ちゃんがお腹にいたときの思い出に浸ったり、
思い出の品をずっと持っていたりすることは、決して悪いことではありません。
良い影響の方が大きいでしょう。
また、そのことを人に語ることで、より、「赤ちゃんが存在した」ことに現実味が出てきます。
と同時に、赤ちゃんがお空に帰っていっても、いつまでもあなたは赤ちゃんのママでい続けることができるのです。
経験者でないと、なかなか理解してもらえないかもしれませんが、
そうして「愛着」を、日々の糧にすることは、とてもいいことです。
そんなお話をする機会を、定期的に持って行きます。
一緒に、「愛着」を確認しましょう!
「天使ママのグリーフケア 寄り添いの会」
日時:7月2日(土) 午前11:00~午後3時
場所:鎌倉
定員:5名
会費:3000円 ランチ・飲み物代含む
ファシリテーター:はやしゆうこ(バースセラピスト)
内容:
マタニティーグリーフの特徴と、癒しについて
シェアリング
癒しのお持ち帰り (イメージワーク、絵本セラピなど・・・)
*お腹の目立つ妊婦さん、お子様連れでは、ご参加いただけません。妊娠初期の方はご相談ください。
お問合わせは info@birth-on-earth.com までお願いします。
お会いできるのを楽しみにしています。
個人カウンセリングはこちら→Birth on Earth
*グリーフケアに関しての参考 「流産・死産に伴うグリーフ ホリスティックな理解から再生に向けて」
グリーフ・カウンセリング・センター
by aserenityprayer
| 2011-05-21 08:45
| 【学】マタニティーグリーフケア