2010年 10月 21日
わずかな対面 |
たった今、そのぬくもりを噛みしめ、
「会いたかったよ」と抱きしめた次男。
その次男と同じくらい会いたかったもう一人の我が子は、
冷たいトレーの上に乗せられてきました。
まるで奇跡のように、
その成長の途中で止まってしまった天使がそこにいました。
「触ってあげて」
という看護師さんの言葉に促され、
恐る恐る、人差し指と中指、二本の指の腹でそっとからだを撫でました。
冷たいけれど、とても柔らかい、そのからだ。
撫でながら何度も何度も「ごめんね」を言いました。
今の私なら、もう少し別の言葉をかけたかもしれないけれど、
この時の私は、ただただ、泣きながら、「ごめんね」を繰り返すことしかできませんでした。
それでも、その姿を忘れないようにしっかりと目に焼き付け、
触れた感触を私のからだの細胞に沁み込ませ、
この子の母である実感を噛みしめました。
こして会えたことに感謝をしながら・・・。
ほんのわずかの対面の後、
ずっと会いたかった我が子は、
私と次男よりも少し早く病院を出て空へと旅立つ準備のために、
分娩室から出て行ったのでした。
by aserenityprayer
| 2010-10-21 10:13
| 【命】次男の誕生にまつわるお話