2010年 09月 15日
長男に背負わせた誕生死 |
実家に帰ってからは、
それまで甘えさせてあげられなかった長男との蜜月の時間をたっぷりと楽しみました。
もともと繊細な子だったので、
彼の心の中がとても複雑であることは、十分にわかっていました。
あるときは、一日中
「お母さんキライ♪ おばあちゃんキライ♪ 」なんて歌を勝手に作って
楽しそうに歌っていたり、
一日中ぐずって泣いていたり、
畳に落書きをしてみたり、
そうかと思えば、
「赤ちゃんが生れたら、ボクはおばあちゃんとお風呂に入って、おばあちゃんとネンネするの。
あ母さんは赤ちゃんにおっぱいあげなきゃいけないから。」と言ってみたり。
なにかあるとすぐに「フニャーオン」と言って甘えてくるのが、
この頃の彼の一番の感情を表していたのではないかと思います。
長男は小学校6年生ぐらいから反抗期が始まり、
とても長いトンネルを経て、16歳、高校一年生になりました。
ずいぶん落ち着いたとはいえ、ときどき見せる表情から、
あの頃の寂しさや複雑な環境が、
もしかしたら彼の心の中に何か大きなトラウマを作ってしまったのではないかと、
申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
それだけではありません。
夢中で二人の息子の子育てをしていく中、
亡くなった子に対する思いを
双子の次男に重ねるあまり、
長男には孤独な思いをさせていたのかもしれないと、
今になって気づくのです。
次男が単胎児として普通に生まれていら・・・
次男と三男が双子として元気に生まれていたら・・・
長男の今も、もしかすると違っていたのかもしれません。
繊細で、優しくて、大きな声でよく笑っていた長男が、
思春期の苦悶の闇の中でもがいている姿を身近で見ていると、
ついついそんな心境になってしまうのです。
「胎内記憶」
「子どもは親を選んで生まれる」
そういう言説が、
今もなお、どれだけ私を助けているかはしれません。
by aserenityprayer
| 2010-09-15 08:26
| 【命】次男の誕生にまつわるお話