2010年 07月 23日
この子たちの力と思いを信じる |
気がつけば、桜の季節になっていました。
外泊許可が出て、実家で週末を過ごした時に見た
庭の牡丹の花。
病院に帰るタクシーの中で見た、
雪が降りしきる中でその小さな花を揺らしていた雪柳。
長男が面会に来た時に、病院の庭で見た
春の訪れを告げる梅の花。
変化のない入院生活で、
私の心にそっと温かい風を吹き込んでくれたのは、
季節ごとに変わる花たちでした。
もちろん、入院中にいただいたたくさんのお花のアレンジメントは、
日々、私や同室の仲間たちの心を温かくしてくれました。
特に、必ず入っていたカサブランカの甘い香りは、
私の中で、癒された記憶と共に、
あのいつ終わるともしれない入院生活を思い起こさせるものでもありました。
一方で、病院の外で見た自然の中の花たちは、
あの時の記憶を呼び覚ますものでありながら、
前に向かう勇気を思い出させてもくれます。
3か月に及ぶ入院生活の一つ一つが、
私の毛穴の中から体内に入り込み、
記憶となり、力となり、勇気となり、輝きになることを知ったのは、
13年も後になるなんて・・・・・。
36週に入り、
主治医のドクターから
「いっぺん、家に戻ってみよか?」と言われた時は、
その意味が良く分かりませんでした。
36週まで順調に来ているのは、
奇跡的なこと。
なら、その奇跡をどこまでも信じようじゃないか。
普通に、産めると信じよう。
退院して、普通に分娩の時を待とう。
お腹の中で亡くなった兄弟に見守られながら、確実に成長しているこの子の力を信じよう。
そして、自分の命を託した、今はもうその心臓を動かすことをやめたこの子の思いを信じよう。
ドクターと私の思いは一つでした。
by aserenityprayer
| 2010-07-23 19:55
| 【命】次男の誕生にまつわるお話