2010年 06月 22日
四分の一サイズのおくるみ |
私の質問に、
いつもは冗談ばかり言って私たちを笑いの渦に巻き込んでいる主任さんも、
きりっと表情を引き締めて、
こたえてくれました。
この世に生きて生まれない限り、
戸籍には登録しないこと。
役所には死産届を出すこと。
身体は火葬し、葬儀もあげられるとのこと。
一つ一つの言葉を噛みしめるように、
時には天を仰ぎながら、
そして私の目を優しく見つめながら、話してくれたあの表情は、
今でも忘れることはできません。
私の日記です。
「今日、M主任に思い切って聞いてみた。
役所には死産届けになり、母子手帳に名前を記入して持っていけばいいとのこと。
身体も連れて帰って、お葬式をあげることもできるので、
二人おそろいの肌着かよだれかけを用意して、
それにくるんで連れて帰れるとのこと。
今まで心の中にずっと引っかかっていたことがこれでやっと整理をつけることができ、
胸のつかえが取れた。
火葬した身体は、私が死ぬまで大事に摂っておき、
私が死んだ時、死っしょに葬ってもらおう。」
肌着は以前から2セット母が用意してくれていたので、
問題はありません。
でも、どうしてももう一つ、用意したいものがありました。
長男の時にも編んだコットンのおくるみです。
とても肌触りのいいそのコットンのおくるみを
二人分、お揃いで編もうと、そのとき一瞬にしてひらめきました。
さっそく母に糸と編み針をリクエストしました。
元気な子へは普通サイズのおくるみを
亡くなった子へは、4分の一ほどの小さなサイズのおくるみを。
この、亡くなった子のための手を動かしての作業は、
思いがけず、私の心を癒すのにとても役立ったように思います。
私の手で、亡くなった子へ何かしてやれることは、大きな喜びとなりました。
次男がこのおくるみを使ったのはわずかな期間だけでしたが、
小さいサイズのおくるみは大活躍。
今も、リビングの片隅に眠る小さな小さな骨壷の下に、
クッションとしてその役目を果たしています。
by aserenityprayer
| 2010-06-22 07:48
| 【命】次男の誕生にまつわるお話