2010年 05月 30日
悲しみの衝撃に対面するとき |
目はとりあえず、ドクターの描く絵に釘づけになっているのですが、
ドクターの話す言葉が私のからだの中で起こっていることだと理解するだけの
精神状態が私にはありませんでした。
(亡くなっている・・・・・亡くなっている・・・・・・)
その言葉の響きだけが私の胸を打ちつけます。
あの喧騒あふれる待合室で、お腹の大きさに注目する人に
「双子なので♪」
と少し誇らしげに答えていた私は、もう、そこにはいません。
放心状態のまま説明を聞き続ける私の目を覚まさせるかのようなドクターの一言がありました。
「今のところ、この子が亡くなった原因はわかりません。
でも、この週数で片方の子が亡くなった場合、
今現在元気な子も時間の問題だという可能性は否定できず、
最悪の場合、母体にも影響があります。
亡くなったお子さんの血栓が元気な子に飛ぶ可能性は極めて高く、
今の段階では元気な方のお子さんが元気に生まれてくる可能性は極めて低く、
時間の問題とも言えます。
最悪、母体の命の危険性もあります。
すぐにご主人に連絡が取れますか?」
ドクターの言葉は、私の頭と心に入る前に、空を切ります。
かろうじて、「ご主人に連絡が取れますか?」と言う問いに対してのみ
「はい」と答える私の頭の中は、ただの空洞に過ぎませんでした。
by aserenityprayer
| 2010-05-30 07:53
| 【命】次男の誕生にまつわるお話