2010年 05月 27日
探していたドクターが、ここにいた。 |
幸い、そのあとまもなくして熱も下がり、症状は治まりましたが、
高熱の影響がないかどうかの診察に行く気になれません。
あの時間外診療でのドクターの顔が蘇ってきて、
同じ病院には足がすくんで行けなかったのです。
胎動は感じていたのですが、それでも気になります。
どうしたものかと思い悩んでいるときに、
たまたまご縁があって、都内の総合病院の産婦人科を紹介してもらえることになりました。
6軒目の病院です。
シティーホテルの様な受付、
この頃、総合病院ではまだ珍しかったピンクの白衣の看護士さん、
待合室のソファーもクッションが良く、
まさに病院と言うよりもホテルの様な印象でした。
待合室は妊婦さんや小さいな子どもたち、年配の女性で溢れかえってきました。
診察室に一歩足を踏み入れると、
急に静かになり、
明るい日差しがふんわりと差し込み、
ヴィヴィッドカラーに包まれた空気の中に、私が対面する七人目のドクターが座っていました。
年配で小柄なそのドクターからは、一枚の壁も感じられず、
むしろ、初対面で、大きく両手を広げ、私を包みこもうとする意思が強く感じられました。
私が高熱を出していたことをあらかじめ知っていたドクターは言いました。
「辛かったね。そんなに熱が出て、赤ちゃんのこと、心配だったでしょう。
すぐに赤ちゃんが元気なこと確認しましょうね。」
初めて、受け入れられたと感じました。
安心感で身体の力が一気に抜けていくようでした。
エコーでお腹の上を行ったり来たりしながら、
「二人とも元気だね~。
心拍もしっかりしてる。
体重差もほぼないね。
二人とも順調に成長してますよ。」
と、ニコニコ顔でドクターは話してくれます。
張り詰めていたものが一気に緩み、
思わず涙がこぼれました。
「出産は大阪の母子センターでしょ?あそこなら安心だ。
双子ちゃんだから、遅くとも28週までには里帰りした方がいいですね。
うちでは年末までにあと一回、年が明けて里帰りする前にもう一回と、検診をうけに来て下さい。
短いお付き合いだけど、それまでしっかり診させてもらいますよ。」
(あ~、なぜこのドクターと始めから縁がなかったのだろう・・・。)
初めての心あるドクターとの出会いが遅すぎたことは、
その後の私の心の中にいつまでも大きく残ることになりました。
by aserenityprayer
| 2010-05-27 08:04
| 【命】次男の誕生にまつわるお話