2010年 05月 11日
5件目の病院で・・・ |
私の計算では妊娠10週目に入っていました。
いまだ宙ぶらりんだった私に、
里帰り出産をした友人が、
自分が定期健診を受けていた病院を教えてくれました。
車で15分ほどの国立病院でした。
待つことを覚悟して、
長男の好きなトーマスの絵本を何冊か抱え、
病院に向かいました。
予想通り何時間も待っての診察になりましたが、
診察室での出来事があまりにも印象的で、
どうやって待合室で時間をすごしたのかの記憶はほとんど残っていません。
長男を連れて入った内診室。
超音波でドクターが確認をしている間も、長男は私になにだかんだと一生懸命に話しかけてきます。
ドクターの声に耳を傾けながらも長男の相手をしていると、
ドクターが言いました。
「あ~、双子だな・・・」
(え?)
「ほら、見て見て」
ドクターが仕切りのカーテンを開け、私に超音波のモニターを見せます。
そこにナースもニコニコ笑いながら入ってきて、
「どれどれ?双子ちゃんのお兄ちゃんはどんなお顔か見せてもらおうかな~」と、
キョトンとしている長男の顔を覗き込みます。
(双子?)
その言葉に私の胸は躍りました。
(双子だったんだ!なんだか普通の妊娠とは違うような気がして、それでこんなに焦って病院探しをしていたんだ!)
この一連の病院探しにつかった時間や、
経験した辛いことも、ここに結び付くのだと何故だか急に納得し、
飛び上るほどの嬉しさを隠しきることはできませんでした。
一口に喜びと言っても、色々な種類があるでしょう。
この時のように、一瞬のうちに躍り上がり、叫びだしたくなるような喜びに包まれたことは、
それまでの私の人生の中で、
もしかして初めてだったかもしれません。
「ほら、見て。ここに心拍が見えるでしょ?それからここにも。ね?二つあるでしょ?双子です。
それもおそらく一卵性の双子だな。」
(一卵性の双子・・・・)
ドクターの言葉の一つ一つがますます私を喜びの布で包んでいきます。
あまりにも私の顔が喜びで満ち満ちていたのでしょう。
ドクターが釘をさすように私に言い放ちました。
「お母さん、喜んでるけどね、双子って難しいんだよ。二卵性ならそうでもないけど、一卵性っていうと、難しいんだよ。」
そう言って、ドクターはまだモニターを覗き込んでいます。
そしてこう言いました。
「そうだよな・・・。これ、一卵性だよな・・・・・・。」
そして、こう言ったのです。
「あ~あ、俺、担当になっちまったよ。厄介だな~。」
by aserenityprayer
| 2010-05-11 11:00
| 【命】次男の誕生にまつわるお話